腎移植後抗ドナー抗体と慢性液性拒絶反応の臨床病理学的検討

市立札幌病院 泌尿器科
* 三浦 正義
市立札幌病院 病理科
小川 弥生
市立札幌病院 腎移植科
原田  浩、平野 哲夫
北海道大学病院 病理部
久保田佳奈子
北海道大学病院 泌尿器科
森田  研、野々村克也
市立釧路総合病院
渡井 至彦

【目的】抗ドナー抗体(DSA)の有無と慢性拒絶の病理像、移植腎機能の関係を検討した。
【方法】移植後1年以上経過した73例のレシピエントを対象とした。定期移植腎生検病理所見のうち、移植腎糸球体症(cg:1-3を陽性)、血管病変(cv:1-3を陽性)、また最近提唱された傍尿細管毛細管炎(PTCitis:2-3を陽性)、傍尿細管毛細管基底膜肥厚(PTCbm:2-3を陽性)、PTCのC4d沈着(diffuse, linearを陽性)を検討し、flowPRA法で検出したDSAの有無、血清クレアチニン(sCr)、尿蛋白(uP/Cr)と比較した。
【結果】全体の21及び11%でクラス1及び2に対する抗体がそれぞれ陽性であった。内、それぞれ53%と88%にDSAを認めた。DSA陽性に対する陽性cg, cv, PTCitis, PTCbm, C4dの感度はそれぞれ64, 36, 50, 50, 14%で特異性は91, 85, 92, 85, 94%であった。sCrとuP/CrはDSA陽性、cg陽性、PTCitis陽性、PTCbm陽性症例で有意に高かった。
【結論】移植腎糸球体症はDSAの存在、移植腎機能障害と強く関連し、慢性液性拒絶の存在を示唆したが、C4dとの関連は明確でなかった。PTCitis, PTCbmもDSA陽性に特異的であった。

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