抗HLA抗体陽性2次夫婦間ABO不適合生体腎移植の1例

秋田大学医学部生殖発達医学講座 泌尿器科学分野
* 齋藤  満、佐藤  滋、三浦 喜子、里吉 清文、米田 真也、熊谷  研、神崎 正俊、熊澤 光明、井上 高光、湯浅  健、松浦  忍、土谷 順彦、羽渕 友則
秋田大学医学部内科学講座 腎臓内科学分野
小松田 敦

症例は50歳女性。
IgA腎症で平成3年にHD導入。
平成15年7月1日、脾摘後に母親をドナーとするABO不適合生体腎移植施行(A→O)。
術前のCrossmatchは陰性。
HLA適合性は1haplotype identical。
DFPP、PEで、移植当日の抗A抗体価はIgM4倍、IgG16倍まで低下。
day16に抗A抗体価が上昇し液性拒絶を発症。
以後、種々の治療を行うも治療効果が得られず、最終的にgraft loss。
同年8月21日にHD再導入。
慢性拒絶症状あり同年12月3日、graftectomy施行。
今回、夫をドナーとする2次生体腎移植希望あり、平成17年10月24日に当科入院。
今回もA→OのABO不適合移植であった。
術前のCrossmatchではB cell warm陽性。
HLA適合性は5mismatch。
Flow-PRA、FCXMはいずれも陽性で抗ドナーHLA抗体陽性と判断。
抗体関連型拒絶の危険性が高いと判断し、移植一週間前にRituximab 100mg/mmを一回投与した。
免疫抑制プロトコールは、当科でのABO不適合移植時に準じ移植一週間前からFK(trough level: 15-20ng/ml)、MMF 1500mg/day、MP 80mg/dayを投与し、移植当日と4日後にBasiliximab 20mgを投与することとした。
末梢血中CD19陽性細胞は1%以下に減少。
DFPP、PEで、移植当日の抗A抗体価はIgM2倍、IgG16倍まで低下したが、移植直前のFlow-PRA、FCXMでの完全な陰性化は得られなかった。
11月15日に2次ABO不適合生体腎移植を施行。
術後、抗A抗体価の上昇は認めなかったが、day6、16に液性拒絶発症。
抗HLA抗体による抗体関連型拒絶反応と判断し、それに対してlow dose(100mg/kg)IVIG+PEを施行し、移植腎を救済しえた。
術後、後腹膜血腫、CMV感染症、PTDMなど発症するも治療に難渋することなく改善。
移植後半年が経過した現在もCr 1.03と移植腎機能は良好で外来経過観察中である。


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