妊娠を契機に腎機能が急激に低下し、移植腎機能が廃絶した一例

福岡赤十字病院腎臓内科
* 土本 晃裕、四枝 英樹、篠崎 倫哉、池田  潔、平方 秀樹
福岡赤十字病院腎臓外科
本山 健太郎
福岡赤十字病院腎臓産婦人科
松本  恵、梅津  隆
福岡東医療センター内科
片渕 律子

 症例は27歳女性。
1996年(17歳)、維持血液透析導入(原疾患IgA腎症)。
1999年8月(20歳)、母親をDonorとして生体腎移植。
サイクロスポリン(C0値30〜60μg/ml)、アザチオプリン、プレドニゾロンで免疫抑制療法を行いながらsCrは1.5〜1.7mg/dlで推移した。
2006年1月(27歳)、妊娠が判明。
4月18日(妊娠18週)、高血圧(180/90mmHg)、浮腫を認め緊急入院。sCrは3.71mg/dl と上昇し、Pltが10.5万/μl と減少、Hb8.2g/dl、LDH 631/μl、haptoglobin<10mg/dl と溶血性貧血を認めた。TTP/HUSを主とする細小血管障害を疑った。
4月20日(第3病日)、血小板減少、腎機能増悪が持続し、妊娠継続は困難と判断して人工妊娠中絶を施行。
4月25日(第8病日)、移植腎生検を行った。
4月27日(第10病日)よりTTP/HUS に準じてPSLパルスと血漿交換(計6回)を開始した。
溶血性貧血および血小板減少は改善したが、腎機能障害は回復せず維持透析に再導入した。
【問題点】本例の血管病変および病態について、急性血管性拒絶の有無、妊娠の影響、溶血性貧血との関連などを含めてご教示願いたい。
(抄録の一部はアナライザーセッションのため変更しました。)


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