抗体関連型拒絶反応におけるglomerular capillaryへのC4d沈着の意義

東京女子医科大学 泌尿器科
* 土岐 大介、清水 朋一、石田 英樹、田邉 一成
東京女子医科大学腎センター 病理検査室
堀田  茂
慈恵会医科大学柏病院 病理部
山口  裕、山本  泉

【目的】Peritubular capillary(PTC)へのC4dの沈着は抗体関連型拒絶反応(AMR)における特異的な所見としてとして診断に用いられている。一方で、AMRにおけるglomerular capillary(GC)へのC4dの沈着の意義は不明である。
今回我々は、AMRにおけるGCへのC4d沈着の意義を検討した。
【方法】2000年から2004年にかけて、当科にて行った移植後3ヶ月以内(0 hour生検を含む)ABO適合(不一致を含む)患者の腎生検のうち、蛍光抗体法でC4dの染色を行った146例(338生検標本)を対象とした。GCにおけるC4d陽性の定義は、global、loopにGCに沈着したものを陽性とした。PTCにおけるC4dは、diffuse brightのみ陽性とした。メサンギウムへのC4d沈着は全生検標本に認められた。
【結果】338生検のうち141例がO hour生検であった。そのうち3例(2%)がGCへのC4d沈着を認めた。残りの138例(98%)はC4d陰性であった。0hour 生検ではPTCは全例C4d陰性であった。0hour生検を除いた3 ヶ月以内の生検所見を患者ベースで検討したところ、146例中10例のAMRを認めた。GCが陽性であったものは11例(8%)で、そのうち8例(73%)がAMRであった。2例はドナーからの持ち込み病変(巣状分節性糸球体硬化症と膜性腎症)であった。PTC陽性は146例中8例(5%)で、そのうち5例(63%)でAMRを認めた。
【結論】GCへのC4d沈着は非特異的反応と考えられているが、今回の検討ではAMRとの相関が強いことが示された。
従来のPTCへのC4d沈着と合わせて評価することでAMRの検出率が高まることが期待される。


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