モノクロナルおよびポリクロナル抗C4d抗体を用いた免疫染色法の基礎検討

筑波大学大学院人間総合科学研究科 分子病理
* 鈴木 大成、相田 久美、長田 道夫

【目的】ポリクロナル抗C4d抗体によるパラフィン切片染色の特徴を明らかにし、凍結切片でのモノクロナル抗体染色との差異を明らかにする。その上で、ポリクロナル抗体によるIPの有用性について検討する。
【方法】まず、同一症例(各種腎炎 計11例)の凍結切片におけるIFをモノクロナル抗体およびポリクロナル抗体で行い、染色性の違いを検討した。つづいてポリクロナル抗体により凍結切片のIFとパラフィン切片のIPを別の同一症例(各種腎炎 計49例)で行い、両方法による染色性の違いを検討した。この2段階の結果を統合してモノクロナル抗体でのIFとポリクロナル抗体でのIPの差違を検討した。パラフィン切片での免疫染色については、抗原賦活化の方法についても圧力釜とマイクロウェーブの2方法で検討した。
【結果】モノクロナル抗体とポリクロナル抗体は凍結切片 IFにおいてほぼ同様の染色性を示した。非特異的な糸球体内のC4d染色はモノクロナル抗体・ポリクロナル抗体いずれにいても認められた。IP(ポリクロナル抗体抗)ではIFでみられる非特異的なC4dとは別のものと考えられる陽性所見が腎炎症例の糸球体内に認められた。抗原賦活化はマイクロウェーブを使用した方法の方がより鮮明な染色像が得られた。
【結論】パラフィンIPでもIFと同様のメサンギウム沈着が見られる症例があり、非特異的以外の糸球体内C4d沈着の存在が示唆された。今後、糸球体腎炎の進展に補体がどう関わっているかを調べる場合に、このポリクロナル抗体の特徴が活用できる可能性がある。糸球体内のC4d検出にはマイクロウェーブなどによる緩やかな方法がよいと考えられた。

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