腎移植後3年目にIgA腎症の再発と慢性抗体関連型拒絶反応によるネフローゼ症候群を呈した1例

東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科
* 柳沼 樹宏、山本 裕康、三留 淳、小林 賛光、
丹野 有道、早川 洋、細谷 龍男
山口病理組織研究所
山口 裕

 症例は38歳男性。2006年4月、IgA腎症由来の慢性腎不全のため腹膜透析導入となり、2007年3月に実父をドナーとする血液型適合生体腎移植術を実施した。移植腎機能は良好で、Crは1.5〜2.0mg/dlで推移し、蛋白尿・血尿も なく経過していた。尚、MMFは下痢のためMZに変更していた。2ヵ月後、1年後のprotocol biopsyでは、既にメサンギウム領域にIgAの沈着が認められていた。2009年9月頃より尿蛋白・潜血が出現し、以降徐々に増悪が認められ、2010年1月には1.85g/gCrと顕性蛋白尿を呈したことより、2010年2月に精査・加療目的にて入院となった。 入院時の尿所見は、タンパク3+、血尿2+、沈査ではRBC many/HPF、変形率40%、1日蛋白排泄量は4.59g/day であり、移植腎に対してepisode biopsyを施行した。病理組織学的には、IgA腎症の再発およびChronic antibodymediated rejectionと診断した。IgA腎症の再発に対して①mPSL500mg×3回の投与、②扁桃腺摘出術を施行、③Losartan25mgを追加とした。Chronic antibody-mediated rejetionに対してはMZをMMFに変更として、経過観察 中であるが、タンパク尿は2g/day程度まで減少している。IgA腎症の再発とChronic antibody-mediated rejection を合併した貴重な症例を経験したので報告する。


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