二次移植後15年目にlate onsetのacute transplant glomerulopathyをきたしたHCV陽性の1症例

東邦大学医学部 腎臓学講座
* 兵頭 洋二、酒井 謙、新津 靖雄、二瓶 大、青木 裕次郎、
高須 二郎、河村 毅、相川 厚
東邦大学医学部 小児腎臓学講座
兵頭 洋二、宍戸 清一郎

 症例は32歳女性。原疾患はDrash症候群(WT-1異常あり、XY-female)。前医にて1980年母親をドナーとする生体腎移植を施行されるも、慢性拒絶反応にて移植腎機能を喪失した。その後1984年父親をドナーとし、二次生体腎移植術を施行された。導入免疫抑制剤はmPSL、 Mizoribineの2剤を使用し、維持期にAzathioprineを追加した3剤で維持免疫抑制療法を施行されていた。2008年までは安定した移植腎機能であった(Cr 2.0 mg/dl前後)が、しかし2008年5月から蛋白尿+が出現し、2009年7月にはCr3.9mg/dl蛋白尿2+と増加した。このため移植腎生検を行った。
 腎生検後MizoribineはMMFに変更した。2009年7月の生検時にHCV陽性であったが、クリオグロブリンは陰性であった。SLE自己抗体も陰性であった。組織所見は一部MPGN様病変を呈していたが、主体となる病変は細動脈、及び糸球体毛細血管の内皮細胞障害であった。電顕では内皮下腔の拡大と内皮下沈着物を認めた。transplant glomerulopathyまたはde novoのMPGNを考慮し、ステロイドパルス療法を施行したが、改善傾向は認めなかった。 一方、間質変化はIF/TA gradeIIIを認めており、またHCV陽性であるため、免疫抑制強化などの積極的加療の継続は困難と考えられた。その後追加療法は施行することなく経過観察中である。


戻 る  ページの先頭