腎移植後直後より高度蛋白尿を呈し、血漿交換にて軽快した1例

(独)国立病院機構千葉東病院 外科
* 伊藤 泰平、剣持 敬、西郷 健一、丸山 通広、
圷 尚武、大月 和宣、岩下 力、浅野 武秀
(独)国立病院機構千葉東病院 病理
北村 博司

 症例は58歳、男性、平成12年より蛋白尿を指摘されるも放置していた。
 平成15年1月人間ドックで再び蛋白尿を指摘され、ネフローゼ症候群と診断された。平成16年8月腎生検施行しMPGNと診断された。内科的治療施行されていたが、徐々に腎機能低下し、平成20年4月血液透析導入された。
 同年7月生体腎移植目的にて当科受診し、10月入院となる。
 ABO不適合腎移植のため、移植14日前にリツキシマブ200mg投与、さらに術前にDFPP3回、PE2回を施行し、脱感作を行った。
 平成20年10月妻をドナーとする生体腎移植術を施行した。術直後より即利尿を認め、透析離脱したが、第2病日より714mg/dl、1日5g以上の蛋白尿が出現した。血清Creは1.9mg/dl前後で安定していたが、高度蛋白尿が持続するため、第8病日に腎生検査施行した。病理組織所見では非特異的ではあるが糸球体とPTCに炎症細胞浸潤を認めた。第14病日より血漿交換を隔日で開始した。血漿交換を5回施行した時点で蛋白尿は減少し始め、8回施行した時点で蛋白尿は完全に陰性化した。その後は再発の兆候なく、第42病日軽快退院した。現在も外来にて経過観察中であるが、蛋白尿は認めず、腎機能も安定して推移している。


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