BKウイルス腎症4例の組織学的特徴と臨床経過についての検討

兵庫県立西宮病院 泌尿器科
* 山中 和明、中澤 成晃、平井 利明、
岸川 英史、西村 憲二、市川 靖二
兵庫県立西宮病院 病理診断科
岡 一雅
桜橋医誠会クリニック
京 昌弘

【目的】BKウイルス腎症(BKVN)についての病理学的特徴につき検討する。
【対象】兵庫県立西宮病院泌尿器科で2007年以後に経験したBKVN4症例を対象とした。4症例共にCre値上昇のため施行されたepisode biopsyで、SV40染色陽性をもってBKVNと診断した。3例は生体腎移植(血液型不適合腎移植1例を含む)、1例は献腎移植。年齢は中央値52歳(30-59歳)、男性3例・女性1例、免疫抑制剤はカルシニューリン阻害剤(タクロリムス3例、シクロスポリン1例)、ミコフェノール酸モフェチル、ステロイドの3剤を全例で内服中であった。既往歴に全例で高血圧はあるが、糖尿病はなかった。
【結果】腎移植からBKVNの診断に至るまでの期間の中央値は7.5ヶ月(5−12か月)であった。4例に共通した病理学的所見は、Hematoxylin-Eosin染色で遠位尿細管から集合管にかけてtubulitisを認めた。それら尿細管には核腫大や核内にHaloを伴う封入体を認めた。髄質から髄放線を中心とした間質に強い炎症細胞の浸潤を認め、好酸球の出現が特徴的であった。治療は拒絶反応との鑑別が困難であった2症例で、ステロイドパルスとデオキシスパーガリンを投与後、免疫抑制剤の減量を行った。残りの2例中は1例でステロイドパルスを施行後免疫抑制剤の減量、もう1例は免疫抑制剤減量のみとした。4症例はいずれもbaselineのCre値までは回復していないものの、Cre値は低下し、現在も生着中である。
【結語】BKVNと拒絶反応との鑑別に難渋する症例は多いが、BKVNの病理学的特徴を把握することが、適切な治療指針選択に有効であると考えられた。


戻 る  ページの先頭