サイトメガロウイルス腎症による出血によりgraft腎摘出を要した1症例

(独)国立病院機構千葉東病院 外科
* 松本 育子、剣持 敬、丸山 通弘、圷 尚武、大月 和宣、
青山 博通、伊藤 泰平、浅野 武秀
(独)国立病院機構千葉東病院 内科
川口 武彦
(独)国立病院機構千葉東病院 病理
北村 博司

 症例は37歳男性。慢性糸球体腎炎による慢性腎不全に対して1995年2月より血液透析導入、2010年6月に50代男性、脳幹部梗塞の心停止ドナーからの献腎移植を施行された。免疫抑制剤はCyA, MMF, PSL, BXMの4剤併用で、術前抗CMV IgGは陰性であった。術後3回の透析を要したが8PODに離脱した。23PODに乏尿となり、flowPRA陽性化した。皮下脂肪が厚いため腎生検は行わず、臨床的に抗体関連型拒絶と診断し、血漿交換、ステロイドパルス、リツキシマブ投与を行った。尿量改善したが、25PODの血液検査で血中CMV抗原陽性となった。ガンシクロビル投与開始し、30PODに免疫グロブリン投与併用したところ、血中CMV抗原量減少した。しかし33PODから再び血尿、乏尿となり超音波検査で腎盂拡張も認めた。やはり経皮針生検が困難と考え開腹生検を行ったところ、腎盂内に凝血塊が充満した状態であり、腎機能の再発現は困難と考え、グラフト摘出した。摘出移植腎の病理組織所見では糸球体内皮細胞、尿細管周囲毛細血管内皮細胞に広範なCMVの感染を認め、血管が破綻し腎盂内に出血、凝血塊が充満したと考えられた。


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