腎移植15年後に再発したMPGNの一例

名古屋第二赤十字病院 腎臓病総合医療センター
* 堀家 敬司、大塚 康洋、稲熊 大城、山本 貴之、辻田 誠、平光 高久、 後藤 憲彦、鳴海 俊治、渡井 至彦、武田 朝美、両角 國男
増子記念病院
片山 明男、両角 國男

【症例】45才男性
【現病歴】15歳時ネフローゼ発症。腎生検施行しMPGNと診断される。ステロイド治療を受けいったん改善したが徐々に腎機能低下。
 94年10月(27歳時)血液透析導入。
 98年9月(30歳時)妹をドナーとしたABO適合生体腎移植施行。
 12年5月尿蛋白が出現し移植腎生検施行。
 MPGNにCAAMRの合併が確認された。IFではやや弱いながらもfullhouseパターン。再発性腎炎が疑われた。
 ステロイドパルス施行し一旦軽快したものの再発。DFPP免疫抑制強化するも寛解せず。
 腎機能も徐々に低下傾向にあり、将来の二次移植も希望されていた。
 精査加療目的に当院紹介。
 当院紹介時Alb 1.5g/dL、Cr 1.9mg/dL、低補体血症、クリオグロブリン弱陽性
 14年4月再評価目的に移植腎生検施行。
 拒絶は認めず。荒廃糸球体は25個中3個、管内増殖性変化を伴ったMPGN像が認められた。細動脈は高度な染み込み様変化を呈し内腔は狭窄していた。IFは前回よりも明らかなfullhouseパターンを呈していた。
 3回の血漿交換の後ステロイドパルスを施行し、CyAの減量、MPAの増量を行った。
【考察】クリオグロブリン腎症では説明しがたいIFパターンを呈した再発性腎炎と思われる症例を提示する。病理像について検討したい。


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