原疾患IgA腎症の移植後再発における予防的扁桃摘出術の効果
Preventive effects of tonsillectomy for recurrence of IgA nephropathy in patients with kidney transplantation

東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科
* 川邊 万佑子、山本 泉、山川 貴史、勝俣 陽貴、勝馬 愛、眞船 華、
中田 泰之、小林 賛光、小池 健太郎、丸山 之雄、丹野 有道、
大城戸 一郎、坪井 伸夫、山本 裕康、横尾 隆
東京慈恵会医科大学 泌尿器科
小池 祐介、三木 淳、山田 裕紀
厚木市立病院 内科
山本 裕康

【背景】原疾患IgA腎症では、移植後再発が長期予後に影響すると考えられている。原疾患における扁桃摘出術は一定の効果が認められている。今回、我々は、IgA腎症を原疾患とする腎移植症例における予防的扁桃摘出術の再発抑制効果について検討した。

【方法】1988年から2014年に当院で生体腎移植を施行された原疾患IgA腎症患者36人のうち、移植時に既に扁桃摘出術を施行されていた3例、移植後臨床経過が得られなかった2例、ANCA合併1例、怠薬で移植腎喪失した1例、二次移植した1例を除外した28人のうち、腎移植1年後に予防的扁桃摘出術を施行した9例と未施行18例の2群間を比較検討した。

【結果】扁摘群および非扁摘群の2群間比較において、年齢(36.0 vs 36.9歳)、男女比(5:4 vs 11:7)、観察期間(7.93 vs 10.1年)、ABO不適合(33.3 vs 50.0%)、ドナー年齢(57.3 vs 59.2歳)、持ち込みIgA沈着(0 vs 2例)などの患者背景は同等であった。また、急性拒絶反応や慢性拒絶反応も両群間で有意差を認めなかった(p=0.53、p=0.36)。移植腎喪失率は扁摘群で低い傾向(p=0.07)にあったものの、有意差はなかった。一方、再発率は扁摘群で有意に低く(p=0.042)、観察期間における血清Cr値、蛋白尿、血尿も扁摘群でいずれも有意に低かった(p=0.03、p=0.04、p=0.01)。

【結論】腎移植後の予防的扁桃摘出術には再発抑制効果があることが示唆された。再発と移植腎喪失との関連に関しては、更なる症例数および長期の観察が必要と考えられた。

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