 |
|
 |
全例SV40T染色による腎移植後ポリオーマウイルス腎症の臨床病理学的検討 Prevalence and Clinicopathological Characteristics of Polyomavirus Nephropathy Identified by
Universal SV40T-antigen Staining in Kidney Transplant Recipients |
|
|
市立札幌病院 病理診断科 |
|
* |
中桐 悠一郎、山口 貴子、仲川 心平、眞田 美和、井上 彩乃、古屋 充子、岩崎 沙理、辻 隆裕 |
|
北海道大学大学院医学研究院 統合病理学教室 |
|
|
市立札幌病院 腎臓移植外科 |
|
|
はらだ腎泌尿器クリニック |
|
|
札幌北楡病院 腎臓移植外科 |
|
|
札幌医科大学医学部 泌尿器科学講座 |
|
|
|
|
|
【背景・目的】ポリオーマウイルス腎症(PVN)は移植腎に生じる腎機能低下の一因として重要な疾患である。間質の線維化(ci)やポリオーマウイルス量(pvl)がPVNの予後予測に有用とする報告を根拠に、Banff 2019よりpvlスコアが追加されるようになった。当院ではBanff 2019の適用を機に、SV40T染色を0時間・1時間生検を除く、すべての移植腎生検検体にルーチンに施行しており、これらの検体を用いたPVNの臨床病理学的検討を試みた。 【方法】2019年から2024年にかけて当院で診断した移植腎生検検体を対象に、年齢・性別・血清クレアチニン値等の臨床データやBanffスコア・SV40T染色所見等の病理データを収集した。 【結果】SV40T染色をルーチンに施行している期間において、PVNは全染色例1363例中19例(1.4%)にみられ、うちPVN診断時生検は8例(エピソード生検3例:プロトコル生検5例、男女比 1:1)、PVN診断後フォローアップ生検は11例であった。PVN診断時生検例で、診断時の年齢・血清クレアチニン値・移植後経過時間はそれぞれ55.9±11.2歳、1.45±0.52 g/dL、25±30.3ヶ月(最短2ヶ月、最長87ヶ月)であった。Banff分類(2019・2022)のス
コアの平均値は、ci 1.00±0.87 ct 1.38±0.48 t 0.63±0.70 ti 1.13±1.05 t-IFTA 0.75±0.97 i-IFTA 1.50±1.32pvl 1.63±0.70であり、うちpvlスコアと強く相関する因子はti t-IFTA i-IFTAであった(いずれも相関係数0.7以上)。 【考察・結語】SV40T染色をほぼ全例に施行した移植腎生検コホートを用いて、PVNの精確な頻度や診断時の臨床病理学的な因子につき明らかにした。フォローアップ生検検体を併用して各症例におけるPVNの経過や腎予後を解析し、予後予測に有用な病理学的指標の同定も試みて発表に含める予定である。 |
|
|
|
戻 る ページの先頭 |
 |
 |
 |