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プロトコール移植腎生検の遵守は移植腎予後を改善しうる
Adherence to Protocol Kidney Allograft Biopsies Improves Graft Outcomes |
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滋賀医科大学 泌尿器科 |
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大阪大学 腎臓内科 |
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大阪大学 泌尿器科 |
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松村 聡一、深江 彰太、川村 正隆、中澤 成晃、角田 洋一、野々村 祝夫 |
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【背景・目的】移植腎の生着率を向上させるため、移植腎の状態を直接的に評価可能なプロトコール生検(P-Bx)は重要であると考えられる一方、それを裏付ける明確なエビデンスに乏しく、どの程度の頻度で施行するべきか、subclinicalな所見に対する対処方法など検討すべき課題は多い。
【対象・方法】大阪大学で2012年1月から2021年12月までに生体腎移植を施行した286名について、P-Bx(移植後3ヶ月、1年、3年)の施行の有無による生着率への影響を検討した。Subclinical T cell mediated rejectionについてはステロイドパルスを施行した。 【結果】3ヶ月、1年目ともにP-Bxを施行した患者とそれ以外の患者との生着期間はUncensored graft survivalで有意な延長を認め、さらに3Yの生検まで含めすべて施行された症例でも生着期間に有意な延長を認めた(ともにp<0.05)。3年目生検の施行の有無を調べた結果、3年以上フォローされている症例のみで解析したところ、生着期間に有意な延長を認めた(p<0.05)。3ヶ月目の生検でsubclinical acute antibody rejectionを17症例に認めたが、未治療にも関わらず1年目、3年目には8症例、3症例に認めるのみであった。 【結論】3年目までの定期的なプロトコール生検を遵守することで、生着期間を延長する可能性が示唆された。3年目のプロトコール生検が有用性については観察期間が短く、さらなる追跡が必要である。 |
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