生体腎移植後の貧血精査にてaHUSの診断に至り、治療を行った一例
A Case Report: Diagnosis and Treatment of aHUS Following a Thorough Evaluation for Anemia After a Living Kidney Transplant

東京女子医科大学 移植管理科
* 齋藤 彩香、海上 耕平、林田 珠奈、北 博行、清水 朋一、石田 英樹
東京女子医科大学 泌尿器科
齋藤 彩香、海上 耕平、木島 佑、中村 和貴、西沢 蓉子、平井 敏仁、高木 敏男
東京女子医科大学 病理診断
種田 積子、藤井 晶子、小池 淳樹
医療法人ときわ会 余丁町クリニック 腎移植フォローセンター
齋藤 彩香、海上 耕平、古澤 美由紀、尾本 和也

症例は60代女性、原疾患悪性高血圧疑いに由来する末期腎不全に対し、X-2年からの血液透析歴を経て、X年7月に夫をドナーとする生体腎移植術を行った。血液型不適合(B→O、抗B抗体4倍)、クロスマッチ陰性、ドナー特異的抗体陰性、妊娠および輸血の感作歴があり、導入免疫抑制剤はTAC/MMF/MP/BAXおよびRit、免疫グロブリン投与、血液透析に加えて血漿交換を実施し移植準備を行った。手術内容、術後経過には問題なく経過良好で、第8病日にCr1.07mg/dL, Hb9.9g/dLにて退院。X年8月定期受診時にCr1.69mg/dL, Hb6.6g/dLと腎機能悪化を伴う貧血を認め、精査加療目的に入院。各種画像検査にて出血源のないことを確認、破砕赤血球の出現、ハプトグロビン減少、LDH上昇、血小板減少および移植腎機能増悪に対し開放腎生検を実施し、糸球体から細動脈にかけてThrombotic microangiopathyの所見を認めた。補体低下、ADAMTS13抗体陰性および同活性の低下がないこと、便培養陰性を確認することによりSTEC-HUSおよびTTPを否定し、腎移植後aHUSと診断、抗C5抗体(エクリズマブ)による治療を開始した。原疾患をaHUSとして末期腎不全に至り移植後に再発したことが強く疑われるため、抗C5抗体の治療は慎重な検討を要する。今回腎移植後貧血の精査でaHUSの診断に至り、治療により移植腎を救済し得た一例を若干の文献的考察を含めて報告する。

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