生体腎移植後の蛋白尿を契機とした腎生検でアミロイドーシスの診断に至った一例
A Case of Amyloidosis Diagnosed by Allograft Kidney Biopsy After Living-Donor Kidney Transplantation

東京女子医科大学病院 移植管理課
* 林田 珠奈、海上 耕平、齋藤 彩香、西沢 蓉子、清水 朋一、石田 英樹
東京女子医科大学病院 腎臓内科
海上 耕平
東京女子医科大学病院 泌尿器科
海上 耕平、中村 和貴、八木澤 隆史、尾本 和也、清水 朋一、高木 敏男
東京女子医科大学病院 病理診断科
藤井 晶子、種田 積子、平井 敏仁、小池 淳樹

【症例】73歳男性
【背景】原疾患不明の末期腎不全に対して約13年前に血液型不適合・抗ドナー特異抗体陰性の生体腎2次移植を行った(免疫抑制導入:CyA+MMF+MP)。以前より糸球体性血尿は継続しており、Cr1.4程度と腎機能は安定しているものの、次第にUPCR4g/gCr程度の蛋白尿が継続するようになった。精査の結果、IgGλ型M蛋白と、κ/λ比0.16であり、移植腎によるλ型腎アミロイドーシスが疑われた。精査のために腎生検を行った。皮髄比10:0、全糸球体15個、硬化糸球体4個。尿細管萎縮や間質荒廃は約10%であった。糸球体に炎症や増殖性疾患は見られなかった。一方でCongo-red染色では血管壁、一部の糸球体に陽性であった。免疫蛍光染色ではIgG2λがGBMとTBMに線上に沈着し、κは有意な沈着を認めなかった。ALアミロイドーシスとして精査を継続し、化学療法を行い、尿蛋白はUPCR 1.0g/gCr程度まで減少した。
【考察】生体腎移植後に腎アミロイドーシスを発症した一例を経験した。腎移植後の蛋白尿の原因としてアミロイドーシスは比較的稀である。本症例では腎機能障害は認めず、蛋白尿のみを契機に生検を行い、沈着物は見られなかったものの、Congo-red染色や免疫傾向染色が診断の一助になった。臨床情報を踏まえた病理評価が診断に重要と考えられた。

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