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移植腎生検でLCAT欠損症と診断された一例
A Case of LCAT deficiency diagnosed by episode graft biopsy |
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| 熊本赤十字病院 腎臓内科 |
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宮部 陽永、辻本 一真、川端 知晶、濱之上 哲、豊田 麻理子 |
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| 熊本赤十字病院 外科 |
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| 増子記念病院 |
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症例は50代女性。原因不明のネフローゼ症候群として34歳から当院に通院中であった(腎生検は未施行)。腎機能は徐々に低下し、44歳時に弟をドナーとした血液型適合生体腎移植が施行された。移植腎機能は安定していたが(Cr1.2-1.3mg/dl)、移植後6年経過したころから尿潜血陽性、10年後から尿蛋白陽性となった。Crの上昇は認めないが、蛋白尿(UPCR1.0-1.5g/gCr)が持続するため、移植後14年目に移植腎生検を行った。
移植腎生検では、糸球体は内皮下の高度な拡大とメサンギウム融解を呈し、PAM弱陽性の脂質を疑わせる沈着物が内皮下およびメサンギウム領域に多量に存在していた。内皮下には大きなPAS弱陽性のしみこみ病変が多数存在し、一部は係蹄内に塞栓様を呈していた。電顕ではメサンギウム領域から内皮下、GBM内にlipid depositionが広く存在し、ポドサイトの足突起は広範囲に消失していた。PTC壁や周囲間質にもわずかなlipid depositionを認めた。
特異的な糸球体病変からLCAT欠損症が疑われた。この疾患はコレステロールのエステル化に重要な酵素 LCATの酵素欠損や活性低下により、遊離コレステロールやレシチンが増加し、その結果HDLコレステロールの著名な低下及び血清コレステロールエステル比の低下を認める疾患である。組成の変化したリポタンパクが組織に沈着することで、角膜混濁、溶血性貧血、腎機能障害などの症状を生じる。この症例でもHDL-Cの低値やコレステロールエステル比の低下、角膜混濁の合併を認めており、今後酵素活性や遺伝子検査を進める予定である。
特徴的な移植腎生検所見により診断された希少な疾患を経験したので報告する。 |
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