移植腎定期腎生検の検討

大阪大学 器官制御外科学
* 土岐 清秀、田中 俊之、小角 幸人、高原 史郎、奥山 明彦
大阪大学 病態情報内科学
岡  一雅、今井 圓祐
桜橋循環器クリニック
京  昌弘

 我々は移植腎に対しprotocol biopsy(PBx)およびnon-episode biopsy(N-E Bx)を施行し、病理組織学的に検討したので報告する。対象と方法:PBxとして、移植後1hour、退院時、1年目に移植腎生検を施行した40例について病理組織学的に検討した。これらのうち、2年目以降も観察を施行したものは10例であった。また、N-E Bx(S-Cr < 2.0mg/dl、尿蛋白陰性)は90例であった。結果:1年目PBxの病理所見は、AR:10例、薬剤性腎障害:12例、GN:4例、CAN:3例、正常所見:18例であった。N-E Bxの所見は、AR:23例、薬剤性腎障害:40例、GN:15例、CAN:13例、正常所見:25例であった。また、N-E Bxでは単独病変より複合病変を示すものが明らかに予後不良であり、特にAR+CANが最も予後不良であった。

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