テレパソロジーによる移植腎病理診断:有効性とpitfall

鳥取大学 医学部 病理学第一講座
* 井藤 久雄、庄盛 浩平、安達 博信

【目的】 移植腎病理診断における静止画像テレパソロジーの有用性を検討した。
【材料と方法】
静止画像伝送システムはNTTが開発したVM-64であり、ISDN回線で画像伝送した。伝送側は広島大学、呉共済病院であり、鳥取大学で診断した。まず、過去に診断が下されていた移植腎生検17例について伝送側と検討し、画像伝送による生検診断の有効性を確認した。1993年8月から実際の症例について診断を開始した。
【結果】 2000年4月現在、移植腎生検37例について診断を行い、3から10静止画像が伝送されていた。30例では伝送画像による診断と直接検鏡の診断が一致した。3例では適切な画像が伝送されておらず、直接検鏡において診断が追加され、4例では診断が保留された。
【総括】 移植腎病理診断では画像伝送を病理医が行っており、診断側病理医との意思の疎通は容易であるため正診率が高く、伝送画像による病理診断の有効性が確認された。

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