カラードプラ法による移植腎病態診断

近畿大学 泌尿器科
* 池上 雅久、栗田  孝
近畿大学堺病院 泌尿器科
秋山 隆弘

【目的】 これまで、われわれは移植腎においてカラードプラ法を施行し、細胞性急性拒絶反応や血管性急性拒絶反応におけるある程度の診断基準を設定、検討してきた。近年の症例におけるカラードプラ法による診断と生検病理組織診断を比較しその有効性を検討する。
【対象と方法】
近畿大学泌尿器科においてカラードプラ法と同時に生検を施行した移植腎症例18例を対象に検討した。装置はアロカ社製SSD-2000、探触子は3.5MHzを使用。ドプラパラメーターは最大血流速(VMAX)と抵抗指数であるPulsatility Index(PI)を使用した。移植腎生検は超音波下で22G針生検を行い、HE染色、PAS染色、PAM染色にて病理診断を行った。
【結果】 カラードプラ法では細胞性急性拒絶反応においては機能良好時と比較し葉間動脈レベルにおける最大血流速の上昇と血管抵抗の増加、血管性拒絶反応では区域動脈レベルの最大血流速の低下と血管抵抗の増大、さらに著明な葉間動脈レベルにおける血流障害を診断の基準とし検討した。細胞性急性拒絶反応と診断した13症例では病理診断において10例で細胞性急性拒絶反応、2例で慢性拒絶反応、1例で薬剤の腎毒性と診断された。また、血管性急性拒絶反応と診断した5例では2例で血管性拒絶反応、1例で慢性拒絶反応、1例で慢性拒絶反応に合併した細胞性急性拒絶反応、もう1例は検体はコアグラで診断不可能であったがその後の経過にて血管性拒絶反応と診断された。
カラードプラ法による診断は迅速かつ非侵襲性であるため大変有用である一方で、最終診断として病理組織診断は必要であることがわかった。

戻 る  ページの先頭