慢性拒絶反応の成因に関する免疫学的因子の解析

名古屋市立大学 第三内科
* 堀家 敬司、戸田  晋、島野 泰暢、竹内  意、小山 勝志
及川  理、両角 國男
名古屋第二赤十字病院 腎臓病総合医療センター
武田 朝美、幅  俊人、打田 和治

【背景】 慢性拒絶反応の病理診断基準の作成には、従来のものに加え、傍尿細管毛細血管基底膜の多層化病変(MLPTC)や humoral factorに関してC4dの診断的価値を検討することが必要である。今回我々は、移植後 1000日以上経過した腎生検を用いて、これらにつき検討をおこなった。
【対象と方法】
名古屋第二赤十字病院でおこなわれた episode biopsy のうち、移植後 1000日以上(平均2430±1132日)の腎生検組織58例を対象とした。電子顕微鏡で確認した transplant glomerulopathy(TPG)の有無により腎生検組織を2群に分け、それぞれにつきMLPTCとC4dのPTCへの沈着の有無を検討した。MLPTCは、電子顕微鏡を用いて最低10個以上のPTCを観察し、多層化病変を確認した。C4d沈着は、凍結切片を用いて間接蛍光抗体法で検討した。
【結果】 58例のうち、TPG陽性[TPG(+)]であったものは22例、TPG陰性[TPG(-)]は36例であった。前者においてMLPTC陽性[MLPTC(+)]を認めたものは17例(77%)、後者では12例(33%)であり、TPG(+)群で有意に MLPTCの頻度が高かった。また、C4d のPTCへの沈着は全体で 3例のみにしか認められなかったが、3例はいずれもTPG(+)かつMLPTC(+)群であった。
【考察】 慢性拒絶反応の成因には,繰り返す細胞性拒絶反応が重要である。ごく一部には液性の因子が関与していると考えられた。

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