移植腎定期腎生検の検討

国立佐倉病院 外科
* 難波 行臣、史   岐、矢澤 浩治、市丸 直嗣、高原 史郎
奥山 明彦
県立西宮病院 泌尿器科
土岐 清秀
近畿中央病院 泌尿器科
小角 幸人
桜橋循環器クリニック
京  昌弘

 腎移植後の経過観察中にacute rejection(AR)を示した症例の生着率は低下すると報告されている。今回我々は移植腎に対しprotocol biopsy(PBx)を施行し、移植後1hour、退院前(100日未満)、移植後1年目(200〜500日)の移植腎定期腎生検組織の評価を行った。

【対象と方法】
1年目までPBxを行った21例について病理組織学的に検討した。
【結果】 退院前の病理所見は、薬剤性腎障害: 6例(2例重複)、boderline change:7例(2例重複)、AR:5例、GN:3例(3例重複)、正常所見:5例であった。1年目PBxの病理所見は、薬剤性腎障害:13例(5例重複)、boderline change:4例(2例重複)、AR:4例(2例重複)、chronic allograft nephropathy(CAN):3例(2例重複)、GN:3例(3例重複)、正常所見:1例であった。観察期間中にARの所見が認められた症例は9例であった。以上のことをふまえて移植腎定期腎生検の有効性を考察した。

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