24時間以上の総阻血時間で生着した2症例の移植後腎生検所見

新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部
* 西  慎一
新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎膠原病内科学分野
今井 直史、下条 文武
新潟大学大学院医歯学総合研究科 腎泌尿器病態学分野
中川 由紀、齋藤 和英、高橋 公太

 症例は献腎移植の2例である。ドナーは若年男性で交通事故による死亡。レシピエント該当者が新潟県内の登録者より2名選択された。腎の摘出は順調に行われ搬送された。レシピエントの移植前緊急検査が施行されたが、術前検査で第1、2、3候補に問題点が見つかり、第4、5候補に手術が決定した。この間、手術開始まで1例目は24時間、2例目は43時間の総阻血時間となった。移植後、無尿期間は2週間から3週間持続したが、その後尿量が増加し、1例目、2例目ともS-Cr2〜3代で退院することが可能であった。移植後プロトコール生検では、1例目は軽度の間質線維があるが他は正常、2例目は高度の間質線維化と尿細管基底膜の肥厚を認めた。長い総阻血時間が影響した腎組織所見を観察する機会を得た。長時間の腎虚血が、尿細管間質の変性と線維化を促進したものの思われるが、保存液に浸漬した状態でも40時間以上を経過すると、重大な組織障害がグラフトに残る。


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